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1 ペルソナ設計の必要性(前回のおさらい)

前回、ペルソナを設計することで士業事務所のマーケティングを優位に勧められる具体的な内容をお話しました。(『【連載vol.3】ターゲットでは不十分!?ペルソナ設計のススメ』を参照してください。)

あらゆるサービス・商品は、ユーザーありきで成り立っています。あなたの事務所の専門業務がどれほど優れたものであっても、それを必要とするユーザー(お客さん)がいなければ何の価値も生みません。

それを理解していれば、ユーザーの生活や置かれている環境をできるだけ詳細に想像し、彼らがどのような課題や悩みを抱えているのかを推測することがいかに重要かはわかってもらえると思います。

逆に、ペルソナが具体的であればあるほどユーザーへの理解はブレがなくなり、事務所のサービス(専門業務)も、ユーザーのニーズに限りなくマッチするものを確立できるようになります。

士業事務所のお客さんは、何かしら課題を抱えてる方たちです。中には人生を左右するような大きな課題であったり、財産や家族のプライバシーに関する秘匿性の高いものであったりすることもあるでしょう。

このような課題に応えるサービス(業務)を提供する事務所としては、中途半端なメッセージを発信するだけでは、お客さんには届きません。「本当に私のためにチカラを尽くしてくれるか」という疑問が払拭しきれないからです。

顧客を獲得するためには、顧客と共通な話題を持ったり、あなたとのコミュニケーションが心地よいものだと感てもらう必要があります。

つまり、「共感」が求められるのです。

「共感」を得るためには、お客さんの好みや生活環境・趣味・嗜好・生い立ちなど様々な事情を探る必要がありますが、ペルソナがフワッと曖昧では、あなたのメッセージは全く響かず、共感も得られません。

例えば、こんなペルソナはどうでしょうか?

  • 40代
  • 男性
  • サラリーマン
  • 3人家族
  • 郊外在住

このようなざっくりとした設定では、何も見えてきません。こんな属性の人物は世の中にゴマンと存在しそうです。

このペルソナは、何が好きで、どんな生活を送っているのか、どの程度の経済的余裕があるのか、どのようなことに興味があるのか、そういう状況がさっぱり見えてきません。

したがって、彼にどのようなメッセージを届ければお客さんになってくれるのかは全くわかりません。それ以前に、あんたの事務所が提供するサービスを必要としているのかすら不明です。これでは当然、共感など得られません。

ペルソナの設計としては失敗です。

しかし、実は多くの事務所や企業が、この程度の設計で『ペルソナできました!』と思っています。(ペルソナの設計に取り組んでいるだけでアドバンテージではありますが・・・)

では、ペルソナの設計には、どんな情報をどの程度掘り下げる必要があるのでしょうか?

こんな経験がありませんか?

ある小説を読んでいるとします。読みはじめたばかりのときは、登場人物がどんな人物なのかはボンヤリしたままです。
しかし、読み進めるうちに自然と主人公の顔が脳内で想像できてきます。想像しようと意識を働かせなくても、勝手にイメージが湧いてきます。

なぜ、このようにイメージできるのでしょうか?

それは、読み進めるうちに、登場人物の情報が蓄積され、あなたの脳内に具体的な「この人」としての人物像を作り上げることができるからです。

実は、これこそがペルソナです。

ペルソナを設計するためには、多くの情報が必要になるのです。
顧客の顔が自然と浮かんでくるようになるだけの設計を行う必要があります。

2 ペルソナ設計の手順

ペルソナ設計のゴールがわかったところで、早速「どうやってペルソナを設計すればよいのか?」をお話していきます。

今回から、いよいよホームページ制作に直結する具体的な作業が始まります。これからの作業は、集客に直結するホームページづくりには不可欠な要素ですので、ひとつひとつ着実に積み上げていきましょう。

ペルソナの設計は、次の3つのSTEPで進めていきます。

STEP1 ペルソナに関する情報を収集する

STEP2 収集した情報をカテゴリーごとに仕分け、まとめる

STEP3 カテゴリーごとにストーリー調に仕上げる

順番にみていきましょう。

 STEP1 ペルソナに関する情報を収集し、仕分ける

最初のSTEPは情報収集です。

ペルソナ自体は架空の人物像をつくりあげることですが、ここで誤解しないでほしいのは、あなたの頭の中の想像だけでペルソナを作り上げることではないということです。

偏りのある個人の想像だけを頼りにペルソナを設計すると、そのペルソナが現実とはかけ離れたものになってしまうおそれがあるからです。

できるだけ、ユーザーから直接ヒアリングをしてペルソナを作りたいところです。「生の声」「現場の声」であることが望ましいのです。

例えば、すでにクライアントがついている事務所であれば、その方たちから直接ヒアリングするのがベストでしょう。まだ具体的な業務を行っていない事務所であれば、あなたの身近な人、家族、友人に協力してもらいましょう。

「生の声」「現場の声」を収集することが難しい場合は、一般に公開されているデータを活用してみましょう。頭の中だけの想像に終わらないことが大事です。

こういった情報を活用することで、よりリアルな人物の行動に沿った人物像を設計できます。

《総務省統計局》

総務省統計局のHP

国勢調査や住宅・土地統計調査、人口推移、家計消費状況調査などの国内データを無料で閲覧することができます。

 

《経済産業省》

経済産業省のHP

業界ごとの売上や利用者数の推移データを無料で閲覧することができます。

 STEP2 収集した情報をカテゴリーごとに仕分け、まとめる

次のSTEPは、収集した情報の整理です。

インタビューや公開データなど、収集したデータをカテゴリーに分けて整理していきます。

これは、弊社で実際に使っている情報整理用のエクセルシートです(ダウンロードして使ってください)。

ペルソナ設計シート_2017のサムネイル


《情報収集の注意点》

  • ここに挙げた項目をできるだけ埋める努力をしてください。 ただ、これらの情報の全てを収集しなければペルソナを設計できないわけではありません。 列挙している項目は絶対ではありません。
  • ヒアリングに協力してくれる人との関係で得られる情報の範囲も違うでしょうし、あなたの事務所の業務との関係で収集すべき内容も異なる可能性もありますので、適宜修正して使っていただいて構いません。
  • ペルソナの行動ではなく、その行動を起した理由や動機に着目するようにしましょう。理由や動機を突き詰めることが、良いペルソナを作ることにつながります。

 STEP3 整理シートを参照しながら、カテゴリーごとのストーリーに仕上げる

これまでのSTEPで、ペルソナを設計するための十分な情報収集をし、それらをカテゴリーに分けて整理されたシートが準備できました。
ただ、このシートでは、情報が列挙してあるだけで、自然と人物像をイメージできるところまでは至っていません。

そこで、最後のSTEPでは、自然と人物像をイメージできるように、ストーリー仕立てにすることです。すると、生き生きとした人物像が自然と浮かび上がってきます。

そして、この人物像に、名前と写真をつけてあげましょう。
そうすることで、より身近な親しみのある人物ができあがります。

ある企業で作成したものをサンプルとして紹介します。

ペルソナ_Sampleのサムネイル

 

これで、ようやくペルソナの設計は完成です!

3 ペルソナはデータとして保存し、適宜修正すべし!

設計したペルソナは、データとして保存し、いつでも参照できるようにしておきましょう。

ホームページを開設してすぐの時期は、「本当にこのままの方向性でいいのか?」という不安や迷いが必ずといっていいほど生じてきます。そんな状況に陥ったたら原点にかえり、方向性を改めて示してくれるのがこのペルソナです。

一方で、ホームページを開設し、集客に成果が出始めると実際のお客さんとペルソナとの間に多少なりとも乖離があることに気づくかもしれません。そんなときは、実際のお客さんのインタビューをペルソナに反映しましょう。

そう、ペルソナは一度設計して終わりではありません

ホームページを開設した当初のペルソナはどうしても推測の割合が大きくなりますが、集客数が増えるにつれ、「生の声」「現場の声」が占める割合が次第に大きくなります。そんなときは、ためらわず過去のペルソナは修正します。

実際のお客さんとペルソナを定期的に比較対照し、両者の間に大きな乖離がないのかを検証しましょう。実際にあなたの事務所を訪れたお客さんこそが理想のペルソナだということを忘れないでください。

4 あとがき

「北の国から」など、これまで数々の大ヒットドラマの脚本を書かれた倉本聰さんのエピソードを紹介しようと思います。

倉本さんは1つのドラマを1本の「木」に例えています。
登場人物という「根っこ」があり、そこから人物同士が織りなす物語という「枝葉」が生まれ、それ全体がひとつのドラマになるといいます。
これだけのたとえなら、他の脚本家でも同じようなことが言えるでしょう。

しかし、倉本さんの類い稀なところは、脚本を手がける前段階にあります。

それは、脚本を書く前に半年以上かけて作るという「登場人物たちの緻密な履歴書」です。登場人物という「根っこ」をとことん突き詰めるのだそうです。
父母の出身地から、恋愛遍歴、さらには実家周辺の地図に至るまで、ドラマには描かれない部分も含めて、生い立ちや経験までも細かく設定し、登場人物を練り上げ、その人生を詳細に掘り下げるのだそうです。

実は、ペルソナも。この「登場人物たちの緻密な履歴書」と何ら変わりはありません。

倉本さんを倣ってペルソナの設計に半年もかけるわけにはいきませんが…

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